真っ黒なモボ

モテ期。



誰しも少なからず一度は経験し、喜ばしい事とも思いますがそれをプラスに取るか取らないかは本人次第でもあります。





昨年の暮れ。自分(以後黒牡丹)はあるイベントを一週間開催中で、4日目を終えたその夜は友人(以後M)と天文館で食事をとっていました。次はどこへ行こうかと話していましたが、そこに自分とも顔見知りのMの上司が現れ何やら話し始めました。どうやらMは上司がお世話になっているラウンジで働く女性従業員(以後主役)の婚約祝いに行かなければならぬとの事。そして上司はこちらを見て

「よかったら黒牡丹も一緒に行ってくれぬか?」

「了解です」

時間的に余裕だったので承諾、Mがサプライズの花束の手配を済ませいざラウンジへ出陣。


入店同時、瞬く間に奥のソファーに通され続いてお姉さま方着席、その様は相手をするより包囲に近いです。この日は車で来ていたため飲めずお茶だけ頼んでいましたが、しらふでも楽しく…楽しく世間話ができていました。




上司も合流してえげつないネタも飛び出し、そろそろサプライズの花束も届こうかという頃。自分の隣についたお姉さん(以後H氏・自称アラサー)が自分を見るなり


「20代に見えないね(悪い意味で)でもタイプ!」


焼酎をあおりながらそうはしゃぐH氏。やたらと黒牡丹が良いとはしゃぐH氏。そして脇腹をつつかれ、肩を揺らされ、上目遣いで見つめられる自分。そろそろしらふがきつくなってきた。




そうこうしていると花束到着。




大きな拍手、巻き起こる歓声、盛大な乾杯、続く上目遣い。いいから今日の主役を見てあげてください。








とりあえず盛り上がりの中で幕を閉じたサプライズ会。上司はH氏、主役と飲みに出るとの事。では自分はMを送り届けるためここらで…










上司「黒牡丹、次行こうか。」








…







隣には腕を絡ませてくるH氏。





つづく